約 1,656,824 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4443.html
(清澄の面々が奈良に遊びに行ったと思いねえ) 穏乃「新しい年だし、それ相応の場所でお迎えするもんだよね!」 ――――AM6:50 場所…………何かたっけえ山。 京太郎「お……お……」 穏乃「ん、どったの京太郎?」 京太郎「おかしぃだろぉーがよぉ……?」 穏乃「何が?」 京太郎「初日の出見に行こーよ、って寝てたとこを叩き起こされたとこまでは、まあいいとしてさ……」 穏乃(そこは許容範囲内なんだ……) 京太郎「なんで日も出てない内から、標高何メートルあるのかもわっかんねー登山にチャレンジしてんだよ?つか、お前の格好さっむいだろっ!何でジャージ!?」 穏乃「いやいやー、これ冬用のジャージだから、こー見えてあったかいのさー」 京太郎「俺にはジャージの上一枚しか着てないようにしか見えねえし!」 穏乃「ヤダなー、そんな痴女みたいなことしないよ、私」 京太郎「………………」 穏乃「憧とか玄さんたちも誘ったんだけど、みんな遠慮するってさ。薄情だよねー」 京太郎「英断だと思うぜ、うん」 穏乃「そんで、いくらなんでも一人で初日の出見るのは寂しいし。丁度、京太郎たちが松実館に年越ししに来てたから、これはもう誘うっきゃないって思ったんだ」 京太郎「その流れなら和誘えって……」 穏乃「うん!誘ったけどソッコーで拒否された!冬の山道をついていく自信ありません、って!」 京太郎「俺もそーやって断ればよかったよ……」 穏乃「アハハ……ゴメンね、ちょっと無理させた。なんていうかさ、どうしても誰かと一緒に初日の出、見たかったんだ」 京太郎「まあ、それで俺を選んでもらえたのは光栄っちゃ光栄だけど。サンキューな、穏乃」 穏乃「……う、うん」 京太郎「どしたー?」 穏乃「ぁ……な、なんでもないよ、なんでも!ほ、ほら、京太郎!あれっ、初日の出!!」 アマテラス「(´Д`)?」(大神リメイク、好評発売中!) 京太郎「おー…………こーして高いとこで見るとまた圧巻だ」 穏乃「エヘヘ、そうでしょそうでしょ!」 京太郎「んー……まあ、次見るならもうちょっと低い山で頼みたいな」 穏乃「――――ら、来年も一緒に初日の出見てくれるのっ?」 京太郎「おお。あ、でも来年辺りだと穏乃にもイイ人いるかもしれないか」 穏乃「だ、大丈夫、彼氏なんて作らないから心配しないで!!」 京太郎「そこは力強く断言しちゃダメだろ……」 穏乃「ぇ、あ、だって、彼氏作ったら京太郎ともう一回、初日の出見れないでしょ……?」 京太郎「んな大袈裟に考えなくてもいいだろ。――――とりあえず、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくな、穏乃」 穏乃「―――うん!よろしくね、京太郎!!」 穏乃「あ、そういえば前から言おうと思ってたんだけど、遠慮なんかしないで、私のことみんなみたいにシズって呼んでもいいよ?」 京太郎「べっつに遠慮してるわけじゃねーんだけど。まあ、穏乃がそれでいいってんなら、これからはシズって呼ぶけど」 穏乃「…………も、も一回呼んでみて」 京太郎「シズ?」 穏乃「―――――」 京太郎「シズ?おーいシズー、どーしたー?」 穏乃「ウ……ウェヒヒ♪うわ、うっわ、なんかこれ…………ヤバい!」 京太郎「?」 終われ。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3387.html
~インターハイ9日目~ 店員「いらっしゃいませー、6名様でよろしかったでしょうか?」 菫「5……いや、えっと」チラ 京太郎「やべぇ……マジやべぇ……」ブツブツ 菫「……」 菫「(大丈夫か、この子……?)」 菫「は、はい。6人?でお願いします」 店員「それではこちらのお座敷へどうぞー」 菫「はい」 店員「それではご注文がお決まりになりましたら、こちらのボタンを押してお呼び下さい」 菫「あ、ハイ……ありがとうございます」ペコ 店員「では、ごゆっくりどうぞ」 京太郎「……」 照「……」 淡「……」 亦野「……」 尭深「……」 菫「(平常心……平常心……)」 菫「……」 菫「……えー、では」 菫「皆、まずはありがとう。ここまでよく頑張ってくれた」 菫「おかげで私達は無事、決勝まで辿り着く事が出来た」 菫「とても厳しい戦いだったと思う」 菫「だが決勝では更に……」 照「菫……」クイ 菫「ん、なんだ?」 照「関係無い人も居るのに大会の話をするのは……」チラッ 京太郎「……」ポカーン 菫「……」 菫「あ、あぁ……そうだな。すまなかった」 菫「……」 菫「(あれ?)」 菫「(なんで私が謝ってるんだ?)」 菫「(その関係ない子を連れて来たのはお前じゃないのか?)」 照「お腹空いた……」グー 菫「(大体この子……何者なんだ?)」 京太郎「……」オロオロ 淡「ちょっと、落ち着きなよキョータロー」 照「面白いから止めなくていい」 菫「(淡や照とも面識があるみたいだし……)」 京太郎「……」ガタガタ 菫「!」 菫「(思い出した、インハイ初日の!)」 … …… 菫「すみません……うちの部員がご迷惑を」ペコペコ 京太郎「いや全然気にしてねっすよwww寧ろいい経験になりましたwwwwはェww」 淡「申し訳ありませんでした……」ボロボロ 照「許してあげて……」 菫「お前も謝れバカ!」ゴチン 照「いたい…」ビリビリ …… … 菫「(照と淡が攫ってきた子か!)」 照「お腹空いた……」グー 淡「テルー、見て見て」クイ 照「ん」 淡「おしぼりでアヒル!」バーン 照「おぉ……」 菫「……」 菫「(わからん……つまり、お詫びに誘った。という訳か?)」 尭深「……」 亦野「……」 亦野「(なんだこの状況……)」 亦野「(というか誰なんだ、この男の子……?)」 京太郎「……」 亦野「……」 亦野「(宮永先輩が連れてきて、とりあえず近くのファミレスに入ったけど……)」チラ 照「出来た」グシャ 淡「……」 淡「テルー、不器用過ぎだよ……」 亦野「(ダメだこの人達)」 亦野「(弘世部長は……)」チラ 菫「うーん……」←頭を抱え込んでる 亦野「(良かった……悩んでるの、私だけじゃなかった……)」ホッ 亦野「(……)」 亦野「(尭深……)」 尭深「……」 尭深「(……誠子、誠子)」 亦野「(あ、あぁ……なんだ?)」 尭深「……」 尭深「(こ、の、場、を)」 尭深「(盛、り、上、げ、て)」 亦野「……」 亦野「(無理)」 尭深「……」 尭深「(じゃあ……)」 尭深「(自己、紹介、に、持っていって)」 亦野「(まぁ、それならなんとか……)」 亦野「……」 亦野「えーと」 亦野「折角集まったんだし、まずは皆の自己紹介から……」 菫「(合コンか!?)」 菫「(いや、亦野が精一杯がんばってくれてるんだ……まずは乗っかろう)」 亦野「それでは……えーと」 尭深「(各自、名前と……)」 亦野「各自名前と……」 菫「(よし、いいぞ亦野!そのまま……)」グッ 尭深「(二つ名)」コク 亦野「……あと、二つ名を」 菫「(二つ名!?なんだそれは!?)」 尭深「……」 尭深「それでは私から……」スタッ 菫「(尭深!)」 菫「(ここでお前なのか!?)」 尭深「……」 尭深「白糸台虎姫のお茶汲み担当、渋谷尭深です。以後お見知りおきを……」 菫「(なんだソレ……)」 京太郎「……」パチパチ 亦野「……」パチパチ 照「……」パチパチ 淡「わー!」パチパチ 菫「(えっ)」 菫「(驚いてるの私だけか!?)」パチパチ 菫「(それにしても……)」 亦野「……えーと次は」 尭深「(次、誠子)」 亦野「わ、私が……自己紹介を」 尭深「……」パチパチ 照「……」パチパチ 淡「亦野先輩だー!」パチパチ 京太郎「……」パチパチ 菫「(なんでコイツ達ノリノリなんだ?)」 菫「(尭深は……さっきのは例外として……)」 菫「(亦野に尭深……二人とも自分から場を仕切りたがるようなタイプではない思っていたんだが……)」 菫「(うーん……)」 亦野「え、えーと……」 亦野「(私の二つ名ってなんだ!?)」 尭深「……」サッサッ 亦野「(釣り?フィッシャー?)」 尭深「×」サッ 尭深「(コメディ、担当)」パクパク 亦野「……」 亦野「コメディ担当!亦野誠子です!」シャキーン 菫「な……」 菫「(よりにもよって亦野がコメディ担当!?)」 菫「(いや、まずコメディ担当ってなんだ?)」 尭深「……」パチパチ 照「おぉ……」パチパチ 淡「おおー」パチパチ 京太郎「……」パチパチ 菫「(さっきから亦野は一体何を言ってるんだ……)」パチパチ 照「じゃあ、次は私が……」ムクリ 菫「(照か。ある意味こいつが一番危険だ……この状況の元凶だしな)」 淡「テルーだ!」パチパチ 照「……宮永」 照「……」シーン 照「照です!」カッ 亦野「……」パチパチ 尭深「……」パチパチ 淡「わーわー!」パチパチパチパチ 京太郎「……」パチパチ 菫「……」パチパチ 菫「(あれ、二つ名は)」 京太郎「宮永先輩、二つ名忘れてますよ」 照「あぁ……」 照「まぁいいや」ポリポリ 淡「ご飯前にポッキーはやめなよー」 菫「(ダメだ……コイツに突っ込んだら負け(?)だ……)」 淡「じゃあ次、私!」スタッ 菫「(淡か、淡は別に問題無いだろ)」 淡「えと、えと…」 淡「こ、コスモ級1年生!大星淡です!」 菫「(ああ……)」 菫「(悩んでも、いつも通りの淡だ……)」パチパチ 尭深「(かわいい……)」パチパチ 亦野「(コスモ級ってなんだ?)」パチパチ 淡「せんきゅー!せんきゅー!」 照「次、菫どうぞ……」パチパチ 菫「わ、私か」 菫「(流れに乗るか、それとも……)」 京太郎「……」パチパチ 菫「(この男の子を先に持っていくべきか……)」 菫「(私はどうするべきなんだ……)」 菫「うーん……」 亦野「(ああ、部長……あんなに悩んでらっしゃる……)」 菫「(ダメだ……私一人じゃ判断が出来ない……)」 菫「(取り敢えず、まともそうな二人に指示を仰ごう)」チラ 菫「(亦野)」 亦野「……」 菫「(はダメだ……)」 菫「(こいつは何故かさっきから意味不明なボケを連発している……)」 菫「(と、なるとやはり渋谷か……)」チラ 尭深「……」グッ 菫「!」 菫「(GOサインか!?)」 尭深「……」コク 菫「(行けということか!?)」 照「菫、早く」 菫「くっ……分かった」 菫「……」スタッ 菫「白糸台麻雀部の部長、兼シャープシューター!弘世菫です!」 照「ぷっ……」パチパチ 淡「プププ……」パチパチ 尭深「素晴らしいです、部長」パチパチ 亦野「……」パチパチ 京太郎「……」パチパチ 菫「お、おぉ……皆、ありがとう……」 菫「(照と淡は後でシめよう)」 菫「それじゃあ次は……」 淡「あ、ねーねー!」ピョンピョン 菫「(もうお前は黙ってろ淡!)」 淡「そういえば菫のシャープシューターってさ、どういう意味なの?」 菫「な……」 亦野「(うわ……)」 尭深「(がんばって下さい、部長)」 菫「……えーと」 菫「(私も世間からそう呼ばれてるだけで意味なんて知らないんだが) 」 菫「(よし、無難だ)」 菫「わた……」 照「普段割と使ってる物」 菫「……」 菫「(コイツ、また余計な事を……)」 38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/12(火) 02 38 55.84 ID Y+J3RNGc0 [23/31回(PC)] 淡「えー、なんだろ?」 照「勉強の時よく使う……」 誠子「あの……」 誠子「それ、もしかしてシャープナーのことですか?」 照「!」 照「……」ダラダラ 京太郎「宮永先輩……」 淡「私、テルーの将来が心配だよ……」 菫「(こいつに心配されたら本当に終わりだな……私も気を付けよう)」 39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/12(火) 02 39 24.58 ID 2WQrcw8S0 [2/2回(PC)] し 40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/12(火) 02 39 26.87 ID izhLVhwj0 [1/1回(PC)] 支援 41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/12(火) 02 41 08.24 ID Y+J3RNGc0 [24/31回(PC)] 菫「と、とにかく!」 菫「私たちの紹介も済んだ事だし、そろそろ彼の紹介を……」 京太郎「え、えーと……俺は」 照「……」 照「姉弟です」 菫「な……」 菫「(ここに来て姉弟!?)」 菫「(こいつ確か妹は居ないって……)」 菫「……」 京太郎「……」ポカーン 菫「(まさか妹じゃなくて弟なら居ます。みたいなそんなオチか!?)」ガーン 亦野「(部長……)」 42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/12(火) 02 41 17.57 ID vJKEY3Zf0 [2/3回(PC)] 支援 43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/02/12(火) 02 43 21.09 ID 1wOyOeap0 [1/1回(PC)] おい!あらたその悪口はやめろ! 44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/12(火) 02 44 46.66 ID Y+J3RNGc0 [25/31回(PC)] 照「正確には淡の兄です」 菫「……」 菫「(こいつ……もうふざけてるだけなんじゃないのか?)」 菫「……」 菫「そうなのか?淡」 淡「え、えーと……」オロオロ 菫「(焦っている……やはり嘘か……)」 尭深「弘世部長、私……」 尭深「淡に兄が居る、と本人から聞いたような記憶が……」 亦野「(そっちに助け舟!?)」 45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/12(火) 02 46 24.45 ID Y+J3RNGc0 [26/31回(PC)] 菫「そ、そうか……ありがとう」 菫「(くそ、渋谷の介入で一気に状況判断が難しくなった……)」 菫「(もしかして、こいつもグルか?)」 尭深「……」ズズー 菫「(お茶の湯気で眼鏡が曇って表情が伺えない……)」 菫「(もう本人に聞こう。最初からこうすれば良かった……)」 菫「あの、失礼ですがこちらの……大星淡のご兄弟の方でしょうか?」 京太郎「いや、俺は……」 淡「(面白そうだから乗っかって!)」 京太郎「(マジですか……)」 京太郎「は、はい。そうです」 京太郎「(確か大星だったよな……大星、大星……)」 京太郎「……」 京太郎「兄の大星須賀京太郎です」キリッ 尭深「……」 菫「……」 菫「(おおほしすがきょうたろう?)」 菫「(どういうことだ……大星が名字なら……下のすがきょうたろうが名前か?)」 菫「あの……すみませんが、どういった漢字を使うのか教えてもらっても」 照「書いた」スッ 菫「いや、お前には聞いてないんだが……」ペラ 菫「大星・S・京太郎……」 尭深「ぷっ……」 亦野「……」 菫「(兄妹と言われても一応分かるが……二人とも綺麗な金髪だしな)」 京太郎「……」 淡「……」 菫「(だがこのミドルネーム(?)は何なんだ……)」 菫「(淡にはついてないし……もしかして洗礼名か何かか?)」チラ 菫「照、ちょっと聞きた……」 照「……ぷくく」プルプル 菫「……」 菫「ふう……」 菫「おい、照」 照「何、菫……」 菫「ちょっと来い」 照「命を大事にしないやつなんてだいっきらいだ……」ズルズル 淡「ああ……テルーが……」 菫「お前もだ、淡」 淡「……」 淡「はーい……」スタスタ 菫「あと、尭深も来い」 尭深「……」スタスタ 京太郎「……」 誠子「……」 誠子「じゃ……そういうことで」スタスタスタ 京太郎「……」 京太郎「死のう」 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4303.html
咲「はふ、今日もようやく終わったよ。2週間じゃまだまだ慣れないなぁ……」 咲「クラスの人たちとも少しずつ話せるようにはなってきたけど、京ちゃんほど気楽にってわけにはいかないし」 咲「……京ちゃんと同じクラスだったらよかったのに」 京太郎「……」 咲「あれ、京ちゃんだ……って、わわ、こっちに来るよ」 咲(何で背を向けちゃうかな、私。話しかければいいのに) 咲(でも、何か他のクラスになってから急に話しかけづらくなっちゃったんだもん) 咲(ここにいたら気づいてくれるかな?一緒に帰ろうって、声かけてくれないかな……) 京太郎「……」 咲(あ……行っちゃった。やっぱり、声かけてみればよかったかも) 咲「でも、私に気がつかなかったはずないよね……」 咲「わかりやすいところにいたし、通り過ぎるまでちょっと時間あったもん」 咲「気がつかなかったふりして、帰られちゃったってことだよね」 咲(どうしてかな。高校に入ってから、ちょっとだけ距離ができちゃった気がする) 咲(最近は部活とか、クラス委員とかで忙しそうにしてるみたいだし……) 咲(前はもっと気軽に話しかけられたし、話しかけてくれてたのにな) 咲「声、掛けて欲しかったな。せめて、じゃあなって一言だけでも欲しかったよ」 咲(そりゃ、声掛けなかった私も悪いけど。声掛けてくるのは京ちゃんの自由だけど) 咲「幼馴染で、クラスだって隣で。そんなに距離があるわけじゃないはずなのに」 咲「……本当に京ちゃんがが遠くなっちゃった気がしちゃうよ」 咲「置いてかれちゃったみたいで、寂しいよ。京ちゃん……」ギュッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3895.html
京太郎「お疲れ様です、って尭深さんだけですか?」 尭深「うん。みんな少し遅れるって」 京太郎「で、その机の上のいくつもの茶筒はなんですか?」 尭深「ちょっと部室に置いてたお茶を整理してて」 京太郎「いくつ持ってきてたんですか……あ、これこないだ見たやつですね」 尭深「うん、これはみんながいいって言ってくれたの。で、こっちが最近買ったの」 京太郎「へぇ。開けてみていいですか?」 尭深「どうぞ」 京太郎「アレ?これだけ小さくないですか?中身は……」 尭深「あ、それ……」 カポッ、バサッ 京太郎「う、うわ!抹茶?」 尭深「気を付けて開けないと結構こぼれやすい、って言おうとしたのに」 京太郎「す、すいません。こぼしちゃって」 尭深「大丈夫。机にはちょっとだけだし」 京太郎「でも、結構俺の手に」 尭深「…………」 京太郎「ちょっと手洗って…」 尭深「貸して」 京太郎「え?」 尭深「手、貸して」京太郎の手掴む 京太郎「尭深さん?」 尭深「……はむっ」 京太郎「!?な、なにやってるんですか!?」 尭深「んっ……ちょっひょなめひぇるらけ……」 京太郎「口の含んだまま喋らないでください!そんなに口に入れて……」 尭深「んちゅ……ん……裏側も……んむ……」 京太郎「……全部舐めとる気ですか?」 尭深「んん……おいしい……」 京太郎「……はぁ。もう好きにしてくださいよ」 尭深「ちゅ……京太郎くんの……味……」 京太郎「変なこと言わないでください!」 尭深「ん……真ん中が一番……ねぇ……もっと」 バタン!! 菫「お前ら何やってる!!」 淡「たかみーずるい!!」 照「……ちょっと話そうか」ギュルルルルルル 誠子「あー……私は止めた……って部長が思ってたようなことじゃないみたいですよ?」 菫「えっ?」 淡「あ、ホントだ。京太郎下穿いてる」 照「でも……何やってたのかな?」 京太郎「えっと……俺が抹茶こぼして」 尭深「京太郎くんを舐めたり吸ったりしてただけです」 4人「!?」 京太郎「手!手のことですから!!」 尭深「今はまだ……でもどんどん……」 京太郎「ちょっと黙っててくださいマジで」 菫「……まぁ、今後は誤解されるようなことはしないようにな」 尭深「……じゃあ誤解を事実にしますね」 京太郎「尭深さん!?」 カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4441.html
透華「あ、あの……お父様、お母様、お風呂いただきました……」 須賀父「狭い風呂で悪いね。でも、さすがにこの寒空の下、帰すのは気が引けるから……。ま、今夜は適当にくつろいでってください」 須賀母「ごめんなさいねー、私のパジャマがらいしか着るものなくて」 透華「い、いえっ、そんなことありませんわ!……ぁ、な、ないです」 須賀母「ウフフ、いいのよ別に無理して普通の喋り方しなくても。ちょっと変わってても、ウチの子で慣れてるから」 須賀母(下着、すぐ近くのお店で買ってきたものだけどサイズは大丈夫だった?) 透華(ピ、ピッタリでしたわ……悲しいぐらいに) 須賀母(ウフフ、おもちのサイズ判定は密かな特技なのよー。大きいおもちもいいけど、ちっちゃなおもちも可愛くていいのよねー、これが) 透華(……京太郎のおもちに対する執着って、もしや――――) 京太郎「ちょいウェイトだぜ、母さん!俺の喋り方のどこが変わってんの?」 須賀母「アラ、あなたよく変なこと口に出してるじゃない?ペーポンペーポンとかリーピンチャンタイーペードラドラーとか」 京太郎「それただの麻雀用語だよ……」 須賀母「あら、そうなの?ごめんなさいね、この子、最近大会で優勝したとかで、ずっと麻雀のことばかり口にしてるのよー」 透華「そ、そうですの……」 須賀父「しかし、京太郎が家にこんな可愛いお嬢さんを連れてくるとはなー。立ち振舞いも上品だし、本当にいいとこのお嬢様みたいだよ」 須賀母「あらあら、じゃあ京ちゃんには頑張って玉の輿を目指してもらわないと♪」 透華「た、玉の輿……」 京太郎「やめれ母さん!別にそーいう考えで透華さんと仲良くしてないから!」 須賀父「お、じゃあどういう考えなんだ?」 京太郎「そ、それは………………せ、切磋琢磨する麻雀仲間としてとか、イ、イロイロあんだろ」 須賀父「………………チッ、カスみたいなテンプレ回答しやがって」(ペッ 須賀母「本当に私たちの息子かと思うぐらいクズだわー」(ペッ 京太郎「やめてよっ、そんな道端のゴミ見るような目で我が子を見んなよ!」 須賀父「ゴミどころか、なあ?」 須賀母「ダメですよ、アナタ。透華ちゃんの前でそんな言葉口にしたら、彼女が卒倒しちゃうわ」 京太郎「どんだけヒドイこと言おうとしてんの!?」 透華「ゆ……ゆにーくなご両親、ですわね」 京太郎「ちが、違うんです透華さん。いつもはもう三割ほどマトモなんですけど、きょ、今日は透華さんが来てはしゃいじゃってるだけなんです……!」 透華「それって……か、歓迎していただけている、ということ……ですわよね?」 須賀父母「「ウェルカーム」」 京太郎「マジで恥ずかしいからやめてくれよ、そのノリ……」 透華「――――ウフフ……♪」 京太郎(うぅ、変な見栄張らずにイベントが被った、って言っとけばよかった……。つーか、家誘ってそのままお泊まりとか、いろいろすっ飛ばしすぎじゃねえの……?) 須賀母「―――さて、せっかくのクリスマスイヴだし、お茶とケーキでささやかにパーティーといきましょうか」 須賀父「よかったな京太郎、お前の好きな母さんお手製のイチゴケーキだぞ」 京太郎「オイ、マジでやめろよブッ飛ばすぞ、いつの頃の話してんのさ!」 須賀父「男はいつまで経っても母離れできないもんさ……」 須賀母「今度、私のケーキのレシピ教えてあげるからね透華ちゃん♪」 透華「ハ、ハイ、よろしくお願いいたしますわ、お母様!」 京太郎「うっわ、もう本気で部屋に引きこもりたくなってきた……。地味に透華さんもノリノリだし……」 須賀父「とりあえず何の話をしようか……。うん、普段学校で京太郎がどんな奇異な行動をしてるか、なんてどうだろう」 須賀母「まあ、面白そう♪透華ちゃん、いろいろ教えてちょうだいね、お礼は弾むから」 透華「お、お礼……?」 須賀母「例えば、この京ちゃんの成長を事細かに記録したアルバム(複製)とか」 須賀父「小さかった頃の京太郎の冒険譚から、当時の交遊関係まで網羅してあるよ」 透華「おまかせあれっ、ですわ!!お父様、お母様、何でも聞いてくださまし!」 京太郎「ヤメテッ!?」 そんなこんなで(京太郎を除いて)会話は弾み―――― ――AM1:07 須賀父「おっと、もうこんな時間か……」 須賀母「あらホント、もう寝ないと明日に響いちゃいそう」 透華「そ、そうですか……。できれば、その幼少の頃に出会った女の子たちについて、もっとじっくりしっかり聞いておきたかったのですが……」 須賀母「大丈夫よ透華ちゃん、それについては巻末に私のレポートを掲載してあるから」 京太郎「もういっそ殺せよ……」 須賀父「さて、それでとうかちゃんの寝る場所だが……どうしようか」 須賀母「実は客間、お掃除サボっててあまり綺麗じゃないのよねー」 須賀父「すまないんだがね、京太郎の部屋を使ってもらうということで構わないかい?」 透華「(京太郎の部屋、京太郎の部屋で一泊……!)わ、私は問題ありませんわっ!」 京太郎「まあしょうがないよな、場所ないし。それじゃ、俺はカーたんと一緒に居間で寝る―――」 須賀母「あらあら、ホントにそこでいいのかしら?」 京太郎「は?」 須賀父(そんな場所で寝て、明日から父さんと母さんの目を見て話せなくなるような、トラウマ級の大人のイチャイチャを目撃しても知らないぞ、という意味さ)(ヒソヒソ 京太郎「」 透華「?」 京太郎「この……外道どもがっ……!」 須賀母「あら心外。京ちゃんはその場の勢いで一夜の過ちを犯しちゃう子なのかしら?」 京太郎「普通、逆だろ!なんで親が同衾せざるを得ない流れ作るかなあ!?」 透華「ど、同き……え……ええぇぇぇぇえっ!?」 親のごり押しなんかには負けない! ……親には勝てなかったよ―――― 【京太郎自室】 京太郎「………………本当に、本当にウチの親がすみませんでした」 透華「い、いえ、わ、私は……たの、楽しませてもらいましたし……」 京太郎(せ、背中が当たってて、全然眠くなんねー……) 透華(ふわぁぁ……!?事情が事情とはいえ、背中合わせでいい、一緒の布団でねむ、眠るなんて……!) 京太郎「あの、ホントに無理だと思ったら言ってくださいね。すぐに俺、居間に行きますから……」 京太郎(それでトラウマ負っても……後悔なんてしないさ、ああ、しないとも) 透華「――――た、確かにこのままだと眠るのは……難しい、かもしれませんわね」 京太郎「じゃ、じゃあ……」(モソ… 透華「っ!……それでも、こ、ここで居間に行かれると……少し……いえ、とても傷つきますわよ、私……」(ギュッ 京太郎「――――ぅぅ……」 透華「…………」 京太郎「…………」 透華「あの、京太郎……?」 京太郎「な、なんですか透華さん……」 透華「お母様のお話に出ましたけど……や、やっぱり男の人というのは、その、ですわね…………た、玉の輿というのを気にしてしまいますの?」 いつの間に寝返りを打ったのか、背中にヒタリと寄り添うようにして投げ掛けられた質問。 その問い掛けの意味が分からないほど、須賀京太郎という少年の頭は鈍くない。 京太郎「俺、は――――」 トッ、トッと背中に透華の胸の鼓動を感じながら、京太郎は緊張に震える唇を静かに開いた―――― ちなみにその夜、京太郎が何と答えたか知っているのは、透華とカピバラのカーたんのみであることをここに記す。 そして、次の次の日の会話へ繋がるんだなこれが。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4444.html
京太郎「どうしてこうなった……?」 玄「ゴゴゴメンね京太郎君!この料理、菊の間のお客様のとこに運んで!」 京太郎(年末年始、うちの旅館でゆっくり過ごすのはどうでしょうか!って玄さんに誘ってもらって……染谷先輩家の雀荘でアルバイトして資金を貯めて――――) 玄「きょきょきょ京太郎くーんッ、このビールを薔薇の間にー……!」 京太郎「何で奈良に来てまでバイトしてんだ、俺……?」 玄「あーっ、百合の間のお客様にお鍋を持っていってー!」 京太郎「―――ァイ、喜んでー!」 玄「居酒屋さんみたいな挨拶しないでよー!?」 京太郎「――――だはぁ!つ……疲れた……」 宥「ふ、ふふ、ゴメンね……。なんだか夏の大会が終わった後からウチの旅館……とっても人気になっちゃって……」 京太郎「…………あー、全国大会を破竹の勢いで勝ち進んだ選手の実家ですもんね。一度来てみたい、って考える人は多いですか……」 宥「う、うん、そうだねー……」 京太郎「玄さんみたいな美少女が仲居やってたらなおさらですしね……」 宥「玄ちゃん、すごく張り切っちゃってて……頑張りすぎないか、少しだけ心配……」 玄「心配ご無用だよ、お姉ちゃん!」 宥「わ、うわ……く、玄ちゃん驚かせないでよぉ……」 京太郎「玄さん、お客様はもう大丈夫なんですか?」 玄「うん!皆さん酔い潰れたり、二年参りに出掛けたりですっかり落ち着いたから」 京太郎「そですか、それはよかった」 玄「この度はまことに申し訳ありませんでしたー……」(深々 京太郎「え?あぁ、旅館の手伝いのことですか?」 玄「はいー……せっかくウチの旅館に遊びに来てもらったというのに、猫の手も借りたい忙しさに、つい悪魔の囁きに耳を傾けてフラフラとぉ……」 京太郎「ア、アハハ……大丈夫……大丈夫ですから……」 玄「ちゃんとお手伝い料、色をつけてもらえるよう交渉しておくからね!」 京太郎「悪いですよ。ここはいい経験させてもらったってことで、一つ」 宥「うふふ……今年は最後まで京太郎君に助けてもらっちゃったね、玄ちゃん……」 玄「うん、そうだねお姉ちゃん……。何だか年上として肩身が狭いよー……」 京太郎「あの……俺、なにかしましたっけ?」 玄「えっとほら、初めて龍門渕で会った時とか……全国大会でもイロイロとしてもらったでしょ?」 京太郎「…………?」 宥「きょ、京太郎君……?」 京太郎「………………………………あ、会うたびにに、阿知賀のみんなと麻雀したのは覚えてますよ?」 玄宥「………………」 玄「あ、お姉ちゃん、私年越し蕎麦もってくるね。京太郎君もお腹すいたでしょ?いっぱい食べてね!」 宥「うんー、ありがと玄ちゃんー。うふふ、あったかいお蕎麦、楽しみだね……」 京太郎「あ、や、やめてください、そんな腫れ物に触るような反応やめてください……!」 宥「ハム……ン、あったかーい……♪」(チュルチュル 京太郎(……なんか言葉の響きがエロく感じるのは俺だけなんだろーか)(ズルズル 玄「おかわりもあるから、遠慮なく言ってねー♪」 京太郎「うーっす」 宥「――――ぁ……除夜の鐘」 玄「今年もついに終わりだねー」 京太郎「新年かー。なんかあっという間に一年が過ぎた気がしますね」 玄「うん……」 宥「私は……とっても楽しかった、よ?」 玄「私もだよ、お姉ちゃん……」 京太郎「俺もちょー楽しかったです」 玄「麻雀三昧だったもんね!」 京太郎「ハイ!!」 玄「即答ですか……ムムッ、これは病気が悪化してるよね。最近はおもち力も落ちてきてるし……せっかくの同志が……」(ブツブツ 宥「きょ、京太郎君はなにか抱負、あるの?」 京太郎「来年……いや、もう今年のですか?抱負、抱負かー……」 玄「お、それはぜひお聞かせ願いたいですよー」 京太郎「んー……やっぱり麻雀強くなりたい、ですかねー」 玄宥「や、やっぱり……」 京太郎「ああ、あとはあれですね、せっかくの青春なんだからいい加減、彼女が欲しいなー、なんて」 玄「恋人ですかー、ふんふむ」 宥「わ、わー……」(ポッ 京太郎「お二人みたいに、俺ももっと才色兼備な感じだったら、こんなこと抱負にしなくていいんですけどね」 玄「アハハ、お世辞でも嬉しいよ京太郎君」 宥「ああ、あり、ありがとー……」 京太郎「お世辞じゃないですって。…………うん、でも」 玄宥「?」 京太郎「とりあえず今は、こうやって親しくしてくれる人たちとお蕎麦食べられるだけで十分幸せだよなー、って思います」 玄「京太郎君……」 京太郎「玄さん、宥さん……明けましておめでとうございます。今年も、よろしく」 宥「ここっ、こちらこそ、ふ、ふつつかものですがー……」 玄「お姉ちゃん、その挨拶は何か間違ってるよー!?」 宥「はわぅわわ……!?」 京太郎「アハハハ!そんな風に言われたら、もうこのままよろしくお願いされるしかないですね」 玄「やめるのです京太郎君!あまりお姉ちゃんをからかうのはダメー!」 宥「うぅ、か、顔……熱くなってきちゃたよぉ……」 そんなこんなでゆく年くる年が過ぎ…… 後日、松実館には須賀京太郎少年が接待してくれるサービスがあるという記事が麻雀TODAYに掲載されて、とあるご新規のお客様が数名同時に訪れて一波乱起きるのだが――――それはまた別のお話。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6287.html
番外編 シズと無意識のいちゃいちゃ 穏乃「京太郎、お腹空いたよー」 京太郎「さっき朝ご飯食べただろ…全く、ほら俺の食いかけだけどパンがあるぞ」 穏乃「もらう!」 憧「あんたら本当に付き合ってないの?」 穏乃「私と京太郎が?ないない。ただのお隣さんだよねー」 京太郎「そうだぞ、憧。俺と穏乃は…あっ、穏乃、ほっぺについてるぞ」 ヒョイ、パク 穏乃「ああもう、食べたら駄目だよ京太郎」 京太郎「何言ってんだ今更。ほらジュース」 穏乃「ありがとうー」 憧「…おかしい、絶対におかしい」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4413.html
アナウンサー「――――それでは、清澄高校・須賀選手に優勝したことについてのコメントを頂きたいと思います!」 京太郎「え、あ、は、はは、はい、その……や……やってやったぜ、って感じです、ええ……」(カチコチ アナウンサー「おや、対局中の自信溢れる様子からは想像できないぐらい緊張してますねー」 京太郎「す、すみませんっ……」 アナウンサー「いえいえー、これも一種のギャップ萌えで受けがいいと思いますよ」 アナウンサー「聞けば須賀選手、麻雀を始めてまだ半年程度とか。それでこれだけの結果を残せたのには、何か理由があるのでは……!?」 京太郎「…………そうっすね」 アナウンサー「も、もしよければ教えておただけませんか!?」(スクープ!盛り上がる! 京太郎「友人に……伝えたったんです。『俺はあなたのことが大切です』、って!」(キリッ 会場「ざわ…… ざわ……」 アナウンサー「お、おお……思いの外、お熱いコメントいただきました!この言葉を送られた人は幸せ者ですね!」 京太郎「は、はあ……?」 妙にテンションの上がったアナウンサーに首を傾げる。 後で振り返ってみれば、この時の彼はまだ幸せだったのだろう。 アナウンサー「しかし、伝えたった……アハハ、少し噛んじゃいましたね」 京太郎「――ス、スミマセン」(カァッ アナウンサー「まあ、緊張しちゃうのも無理ないですよね」 恥じ入る京太郎に苦笑を浮かべ、アナウンサーがフォローの言葉を口にする。 アナウンサー「流石に日本全国に放送されてる中での告白ですし」 京太郎「――――――――ハ?」 アナウンサーの言葉に目を丸くする。 アナウンサー「県予選レベルまでいけば、民営放送や動画で視聴できますからね!きっと須賀選手の言葉は届いていますよ!!」 京太郎「え?あれ……ちょっと待って――――」 アナウンサー「ではっ、これにて優勝者インタビューを終了したいと思いまーーーーすッ!」 図らずとも全国に向けて京太郎が発してしまった意味深なコメント。 それはまず会場にいた少女達に、さらに長野県の県予選に関心を寄せていた人物――達へと届く……届いてしまった。 透華「……………………!!」 一「とーか、大丈夫~?」 透華「ちょっ、ちょ……ちょっと……そっとしといてくださいませんか!?」 一「目立ってなんぼな透華が、顔覆ってしゃがみ込んじゃってるよ……須賀くん、これで責任取らなかったら犯罪だよコレ」 透華(た、大切です……?俺はあなたのことが大切ですって……それって、それってどう考えても―――!!) 透華(あ、ダ、ダメ、まだ早いですわ……!いくら両想いになれるからといって、あっさり受け入れては品位が疑われてしまいますし……!) 咲「俺は……あなたのことが大切です――――アハ、ハハ……そ、そんな風に言われたら……て、照れちゃうよ」 和(宮永さん……ここ数日、精彩を欠いていましたが、復活したようですね) 咲「よーし……京ちゃんの応援は終わったし、県予選女子の部がんばろうね、原村さん!」 和「――――ハイ!!」 優希「おー、だじぇ!」 まこ「とりあえず、やる気が出たんはええことかのう?」 久「後が怖いけど、とりあえず今は県予選を突破することを考えるべきよね」(キリッ まこ「面倒ごとはゴメンじゃいうとるんはよく分かった……」 ―――大阪 京太郎『伝えたったんです。「俺はあなたのことが大切です」、って!』(キリッ 怜「――――ゴホォッ……!」 竜華「と、怜……!?怜ぃぃぃぃぃィッ!?」 浩子「ああ、園城寺先輩がおっ立てた立直棒が真っ二つに折れてもうた……!」 泉「いや、そこは今驚く場所ちゃいますて!?」 セーラ「アカン、怜が……怜が血ぃ吐いて倒れてもうた――――って、これ鼻血かーーーーい!?」 怜「京ちゃん……アカンで……。こ、こんな全国ん人が見とる中でそんなん言うたら、て、照れてまうやん……」(エヘヘ 浩子「まあ、これ以上ない熱烈な告白でしたけど……たぶん意図してのもんちゃうん思うのうちだけでしょーか?」 泉「あ、実は私も……」 セーラ「ゴメン、俺もや」 竜華「…………怜には悪いけど、うちも」 ――――同大阪 京太郎『伝えたったんです。「俺はあなたのことが大切です」、って!』(キリッ 郁乃「やぁん、いくらなんでも日本中の人が見てるかもしれんとこでは……」(テレモジ 漫「うはあ、監督がなんかクネクネしとる……」 由子「須賀君のこと気に入ってたしなあ、しゃあないのよー」 漫「丁度、愛宕先輩とかが買い物に行ってたんが不幸中の幸いかも」 由子「主将とかおったら大騒ぎだったのよー。ねえ、大将…………大将?」 恭子「――――――――」(ドンッ……! 漫「す、末原先輩……仁王立ちの姿勢で固まってもうてる――――!?」 恭子「ぇ、ぁぅぁ……あ、ひゃう……?」(ガクブル 漫「ああー、これは『俺はあなたのことが大切です』発言を頭が処理しきれてないっぽいのよー」 由子「バンカラスタイルの仁王立ちで真っ赤な顔と涙目って新し過ぎるのよー」 郁乃「末原ちゃ~ん、須賀君が県予選で優勝したお祝いにえっちぃ写真でも撮って送ったろうや~♪」 恭子「へ……ぇ、な、なんで私なんですか……?」(ウルウル 郁乃「そんなん決まっとるやん~、次会った時にガッツリいくためやよ~」(ニッコニッコ 恭子「え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~……」(ズルズル 絹恵「お姉ちゃん~、なにしてんの早よ戻らな練習できへんでー」 洋榎「お、おー……!」 絹恵「もー、携帯で動画見ながら歩いたら危ないで、お姉ちゃん」 絹恵「っちゅーか、なんか顔赤いで。も、もしかして風邪ひいたん!?」 洋榎「だ、大丈夫、大丈夫やよ絹……心配せんでええからっ!」 絹恵「んー……ホンマに?」 洋榎「ホンマホンマ」 洋榎(『伝えたったんです。「俺はあなたのことが大切です」、って!』……肝心なとこで噛んでんとちゃうわ、アホ……)(ニマニマ 絹恵(なんかお姉ちゃん、ええことあったんかなー?) 波及する。 やえ「フ、フッフ……これだからにわかは話にならんよ……!」 下級生(小走先輩、なんか腕組みながら真っ赤になってる……) 京太郎の不用意な全国に向けての発言が問題を波及させていく。 咏「おほー、言ってくれるねー♪」 えり「ちょっと三尋木プロ、解説中に動画見ないでくださいよ……!」 咏「いいじゃん別に~。こっちは今、年下の少年にあっつい告白されたとこだぜ」 えり「そ、そうですか、よかったですね……」(イラァ 健夜「ぅ、うあー……うあー……!」(ゴロンゴロン 恒子「なんか悶えてんねー、すこやん。なーんかいいことあったの?」(ジー 健夜「うわっ、いつの間に部屋に!?べ、別に、こーこちゃんにはあまり関係ないから……」 健夜(動画越しにだけど、あなたが大切ですなんて告白されちゃったなんて言えないよ……) 恒子「ふーん?あ、これは……長野の県予選!さっすがアラフォー、オフの日でも麻雀以外興味なし!」(ジジー 健夜「アラサーだよ!!……って、あの、こーこちゃん、その手に持ったカメラは何?」 恒子「あ、コレ?ちょっと『今日のすこやん』って企画に使う映像がほしくって。休みの日に、ベッドの上で長野の県予選の男子!個人戦見ながらモゾモゾモジモジ怪しい動きをしてる小鍛治プロの様子を記録――」(ジジジー 健夜「いつから撮ってたの!?」 恒子「え、男子個人戦決勝の東3局辺りから特定の子を応援――――」(ジジジノジー 健夜「――――」(ガッ!! 恒子「うお……力強――――って、これもしかして本気ッ!?」(グググッ ひろゆき「…………なんていうか、コレは荒れますね」(苦笑 天「本当になにやってんだろうな、あの坊主は……」(呆れ 赤木「ククッ……注意散漫だぜ、京ちゃん」 ひろゆき「赤木さん……楽しんでますね」(ヒソヒソ 天「最近、暇だ暇だ言いまくってたからな……」(ボソボソ 赤木「そういえばひろ、今日はどっかに用事があるんだろ」 ひろゆき「ええ、プロ麻雀せんべいのプロモーションカード用の写真撮影です」 天「まさか、俺達にまで声がかかるとはなあ」 ひろゆき「まあ、大沼プロや僧我さんなんかに『お前らもやれっ……!』てお願いされましたし」 天「いやあ、ありゃ脅迫だったろ……。ったく、若いねーちゃんにも人気なひろならまだしもよー」(頭痛 ひろゆき「ハハハ……天さん達だって根強いファンがいるじゃないですか」 赤木「ククッ……ま、暇潰しにはなるか」 赤木「――――――――だが、俺達だけが見世物にされるってんじゃ……面白くないな」 ひろゆき(赤木さんがまたなにか考えてる……) 天(ありゃあロクなこと考えてねえ顔だな) 赤木「…………この間、龍門渕の爺でも使うか」 赤木「最近は女子供にも有名な連中がいるからな……求める奴はいるだろうっ……!」 ひろゆき「天さん……」 天「…………まあ、いずれはプロになるガキもいるんだ、面通しにはいいんじゃねえか」 ひろゆき「こっち見て言ってくださいよ……」(頭痛 終われ。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4372.html
恒子「ふくよかすこやかインハイレディオの時間ですよー!いぇーい!」 健夜「こーこちゃん、テンション高いよ……」 恒子「ご存知ふくよかじゃない福与恒子です!」 健夜「ええと、すこやかじゃない小鍛治健夜です」 恒子「お腹出して寝てちゃ駄目だぞすこやん」 健夜「そんなことしてないけど!?」 恒子「すこやんのお腹はともかく、今回は新しいアシスタントをよんでるよっ!」 健夜「私初耳……」 恒子「すこやんの付き人、須賀京太郎くんだぁーっ!」 健夜「ええー……」 京太郎「ええと、須賀京太郎です。よろしくお願いします……?」 恒子「さーってゲスト紹介した所でまずはこのコーナー!」 恒子「『すこやんに聞いてみよう』のコーナー!はい須賀くん説明して!」 京太郎「ええと、このコーナーではリスナーの皆さんからのお便りに健夜さんが答えるコーナーです」 京太郎「採用された方には小鍛治健夜特性プロマイドをプレゼント、だそうです」 健夜「聞いていないことが多すぎる!?」 恒子「それじゃお便り行ってみよう!」 京太郎「えー、RN牌のおねぇさんから。『この前一緒に仕事をした人のことを忘れられない』」 京太郎「だそうです。健夜さん、回答お願いします」 健夜「あ、これそういうコーナーなんだね」 健夜「といっても忘れらないっていうお便りに回答もへったくれもないと思うんだけど……」 健夜「え、そういう意味じゃない?」 健夜「うーん、まあ仕事をしたってことはそこまで親密ってことでもないんだろうし……」 健夜「まずは仲良くなってみたらいいんじゃないかな?」 恒子「さすがすこやん!年の功!」 健夜「そんなに年取ってないよ!?」 恒子「調子出てきた所で次のお便りだー!」 ――― ―― ―
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2142.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1362651685/ 和「だってあの咲さんですよ」 京太郎「どの咲さんだよ…」 和「皆が学食でワイワイキャッキャウフフしてる時に校内の片隅で一人で本読んでる咲さんですよ!」 京太郎「あー」 和「私やゆーきより昼寝を優先する咲さんですよ!?」 京太郎「おぉ、もう…」 和「どうやってあの咲さんと仲良くなったんですか!」 京太郎「いや、知らんし」 和「案外私が咲さんと結ばれるための手がかりはそのへんに隠されているのかもしれません」 京太郎「諦めろ和。今のあいつには、照さんしか見えてねえよ」 和「知り合いなんですか?」 京太郎「面識はあるけど知り合いってほどではないって感じで」 和「やはり咲さんの過去を知ることは大きなアドバンテージなのですね…!」 京太郎「多分そうでもないと思うぞ、あいつの過去的に考えて」 和「…まあ、あまりいい思い出はないようでしたしね…」 和「ともかく! 須賀君、咲さんとの馴れ初めを教えてください! 私の輝かしい未来のために!」 京太郎「馴れ初めってまた大げさな。えっとだな、家が近かったから昔から知り合いではあったんだ」 和「咲さんは、中学で同じクラスだったと言ってましたが」 京太郎「家は近かったけど校区が違ったもんでな。同じクラスだったのは確かに中学生の頃だよ」 和「ほう」 京太郎「んで、たまたま中一の時に同じクラスになってだな…」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「あ、京ちゃん。同じクラスになったんだね」 京太郎「んあ? あぁ、咲か」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「おかしいです!」 京太郎「何が!? 人の過去にケチつけられても困るんですけど!」 和「私なんて『は、原村さん(怯え)』って感じのスタートですよ!? なんでいきなり渾名呼びなんですか!」 京太郎「だから小さいころから面識はあったって言ったろ」 和「ぐぬぬ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「何か委員会に入らなきゃいけないんだって。どうしよう」 京太郎「俺は仲良くなった奴がいるからそいつと一緒に体育委員やるつもりだけど」 咲「もう仲のいい子が出来たの? 京ちゃん凄いね」 京太郎「人と仲良くなることだけなら自信があるぜ」 咲「私は…どうしよう…あわわわわ」 京太郎「落ち着け咲、お前の得意なこととか好きなこととかが出来る委員会やればいいだろ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「だからってこれは仲良すぎやしませんか!」 京太郎「知らんし」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「私…本読むのが好きなんだけど…」 京太郎「いいじゃねえか、隣の席の奴にでも本の話振ってみれば?」 咲「そ、そんなの無理だよう!」 京太郎「人見知りかいっ。ったく、しゃーねーなー…」 京太郎「はいはーいっ、俺図書委員やりまーすっ」 先生「ん、じゃあ図書委員は後二人な」 咲(京ちゃん…) 京太郎(これでいいだろ、ほらっ) 咲「う、うんっ。あ、あああのっ、私も図書委員やります…」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「イケメンですかっ!!」 京太郎「何その突っ込み。なんで俺は褒められながら突っ込まれてるの」 和「どうしてもちょっとエッチな雑用の須賀君と須賀君の回想の中の須賀君が結びつかないんですけど」 京太郎「酷い言われよう」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 友人「ったく、話が違うだろ須賀ー」 京太郎「悪い悪い、咲があんまり人見知りなもんだから」 咲「ごっ、ごめんなさいぃ…」 友人「あー、いいよ別に。どうせ何やっても面倒臭いんだから、何委員でも良かったし」 咲「でも、その…」 京太郎「まーまー、せっかく同じ委員になったんだし仲良くやろうぜっ」 友人「それな。よろしく宮永さん」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「めっちゃいい人じゃないですか友人さん!」 京太郎「ちなみに1話の彼とは別人だ」 和「1話の彼とは?」 京太郎「俺と咲を夫婦扱いしてからかってきた奴」 和「始末してきます」 京太郎「和さん落ち着いて」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「京ちゃん、本棚の上のほうに手が届かなくて…」 咲「京ちゃん、ちゃんと勉強してるのー?」 咲「京ちゃん、一緒に帰ろうっ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「依存か何かですかッ!!」 京太郎「落ち着いて和さん」 和「おかしいでしょう! さっきの流れなら人見知りを克服して他の友人がどんどん増えてく感じでしょう!」 京太郎「それは俺も思った」 和「咲さんを甘やかし過ぎたんじゃないですか?」 京太郎「それはあるかも…何かあったらすぐ頼ってきたし」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「咲ー、メシ食おうぜメシ。クラスの奴誘ってあるから皆でさ」 京太郎「咲ー、文化祭俺とお前で小道具係やろうぜ。楽そうだし」 京太郎「咲ー、運動会どうするよ。お前運動苦手そうだけど、どれ出たい?」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「ほらやっぱり!」 京太郎「うん、我ながらこれは…」 和「保護者か何かですか!」 京太郎「逆に考えるんだ和、咲を攻略するにはそれくらいしなければならないんだと」 和「はっ!」 京太郎「いやまぁ適当だけどさ」 和「結局咲さんを攻略するにはどうすればいいのか…」 京太郎「いや、知らんし」 京太郎(むしろ和を攻略したいのに和から他の奴を攻略する話聞かされる俺の身にもなってほしいの) 和「こっ、これからも咲さんを攻略し隊の一員として私の情報を提供してもらいますからね!」 和(こっちの態度がこれなのも問題なのかもしれませんが…いい加減、察してくれてもいいと思います!) 京和『はぁ…』 京和(溜息つきたいのはこっちなんですけど!?) 咲「…相変わらず仲いいなぁ二人とも」 和「さあ! 今日も聞かせてもらいますよ須賀君! 中学時代の咲さんの話を!」 京太郎(目的が「咲と仲良くなれるコツを知る」から「咲の過去を知る」に変わっちゃってるけどいいのかな) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「運動会だー」 咲「だー」 京太郎「とりあえずお前は足速くなくても運次第でどうにかなる借り物競争に登録しといたから」 咲「う、うん。頑張るね京ちゃん」 京太郎「おう、頑張れ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「もう嫌な予感しかしないんですけど!」 京太郎「お察しの通り、咲が俺を借り出したぞ」 和「もうやだ! ちなみにお題は?」 京太郎「輝いてるもの」 和「ああ、髪の毛的な意味ですか」 京太郎「そう思いたいな」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 友人「文化祭で劇とかだるいなぁ」 京太郎「もっと楽な出し物あるだろうになぁ」 友人「でも、咲ちゃんヒロインにすれば可愛いんじゃね?」 咲「むっ、無理だよぅ!」 京太郎「こいつが台詞覚えられると思うか?」 友人「あー」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「友人さんまで名前呼びになるくらい仲良くなってるじゃないですか!」 京太郎「俺頑張った。委員会一緒になった奴とは咲も俺抜きで話せるまでになったぞ」 和「普通でしょそれくらい!」 京太郎「普通じゃないんだよ咲の場合!!」 和「完全に保護者目線ですね」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「大道具小道具は本番楽でいいね」 咲「京ちゃん、一緒に回ろうよ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「ベタなフラグゥゥゥ!!」 京太郎「落ち着いて和さん」 和「どうせこの後一緒にお化け屋敷入ったりするんでしょう!?」 京太郎「よくお分かりで」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「ひぅっ、怖い、怖いよ京ちゃん!?」 京太郎「中学の文化祭の出し物にしては本格的だな」 咲「ふええええっ!?」 京太郎(それでもこいつはビビり過ぎだと思うが) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「もうなんなんですか、須賀君なんて爆発すればいいんですよ」 京太郎「理不尽すぎる」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「あ、焼きそば。おいしそう」 京太郎「こういう時の露店の食い物ってやたらうまそうに見えるよな」 咲「あ、わたあめも…」 京太郎「両方食べたいけど本買うためのお小遣い足りなくなるとか思ってるだろ」 咲「はう!?」 京太郎「片方買ってやるよ、半分こしようぜ」 咲「あ、ありがとう京ちゃん!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「またイケメン行動! 須賀君のくせになんなんですかもう!」 京太郎「理不尽すぎる」 和「どうせ高いほうを須賀君が買ったんでしょう!」 京太郎「よくお分かりで」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「もうすぐ卒業だね、京ちゃん」 京太郎「長いようで短かったな」 咲「うん…ありがとうね、色々」 京太郎「お前の友達を増やそう計画は長いようで普通に長丁場だったな」 咲「うぅ…」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「3年間一緒のクラスでずっと仲良しとかなんですかそれ爆発しろ!!」 京太郎「落ち着いて和さん、口調崩れてる」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「京ちゃん、高校どこ受けるの?」 京太郎「んー? まぁ清澄かなー。近いし」 咲「わ、私もそこにしようかなぁ」 京太郎「おいおい、ちゃんと考えなくていいのか?」 咲「図書室の蔵書が近場の他の高校よりは多いらしいし…」 京太郎「そういえばお前はそういう奴だったな」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 和「これもう絶対須賀君を追ってここに来た感じじゃないですか!!」 京太郎「いや、図書室の本っつってんだろ」 和「どう聞いてもそっちが口実だとしか思えないんですけど!!!」 京太郎「つーかさ、もうこれ聞く必要なくね?」 和「なっ、なんでですか! 私と咲さんが結ばれるための研究は…!」 京太郎「いやだってさ、聞いたところで再現できるもんでもないし」 和「うっ」 京太郎「そもそも時期も関係も性別すら違うから同じことしたところで同じ結果にはならんだろ」 和「ううっ」 京太郎(いい加減、想い人が他の奴を攻略するための話に付き合うの辛いのよね) 和「だ、だって…咲さんと須賀君がしたこと、私だってしてみたいんです…」 和(須賀君と) 京太郎(咲とか…) 京和『はぁ…』 京和(だから溜息つきたいのはこっちだってーの!!!) 咲「ほんと仲いいなぁ二人とも」 和「というわけで私と咲さんが結ばれるための研究の一環として出かけますよ!!」 京太郎「もうこの子末期なんじゃないかな」 和「咲さんが喜びそうなところというと、やはり本屋でしょうか」 京太郎「うーん。本読むだけなら図書館で済むし、よほど買いたい本がない限り本屋に咲が行くことはなかったような」 和「じゃあどうすればいいんですか!!」 京太郎「いやだから、何度も言ってるけど知らんし…」 和「須賀君が咲さんと仲良くなったときのことをそのまま教えてくれればいいんですよ!!」 和(あの仲の良さは絶対無自覚なデートとかまでやっちゃってるはずです! つまりそれを再現してもらえば…須賀君とデート…) 京太郎「いや、だから知らんってば…」 和「ええい、こうなったら咲さんの心を射止められそうなデートスポットを見つけるまで…つ、付き合ってもらいますからね須賀君!!」 京太郎(ま、和とデートごっこ出来ると思えば我慢できるかなー) 和(つ、付き合うってワードまで出したんだからそろそろ察してくださいよ!) 京和『…はぁ』 京和(だから溜息つきたいのはこっちなんだってばぁぁぁ!!!!) 和「と、というわけで須賀君! 今週末も出かけますよ!」 京太郎「えー…先週もその前も出かけたじゃねえか」 和「私と咲さんが結ばれるための研究が一向に進んでいないんだから仕方ありません!」 京太郎「あーもう分かりましたよ! でも優希がタコスタコスうるさいから途中でスーパー寄って食材買わせてもらうからな」 和「須賀君こそ、咲さんが気に入りそうなファッションを知るために服選びに付き合ってもらいますよ!」 京太郎「はいはい」 和(そこで作ったタコスを私に食べさせてくれたりしたら嬉しいのに…) 京太郎(そこで嘘でもいいから俺好みのファッションって言ってくれたら嬉しいんだけどなあ) 京和『はぁ…』 京和(だから溜息つきたいのはこっちだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!) 咲「ほんと京ちゃんと和ちゃんって仲いいよね」 京太郎「どこがだよ。俺はあんまりにもあんまりな級友の発言に心が折れそうだよ」 咲「暇さえあればいっつも二人で話し込んでるじゃない」 京太郎「咲はフラグを立てたい子が別の子にフラグ立てる手伝いさせられる俺の気持ちを考えるべき」 咲「ほんと京ちゃんって気が効くわりに察しが悪いよね」 京太郎「男にレズカップル成立の手伝いをさせようとする子の気持ちなんてそうそう察せるもんじゃないと思うの」 優希「のどちゃんがここまでヘタレだったとは知らなかったじぇ。正直見損なったじぇ」 和「し、仕方ないでしょう! 引っ込みがつかないんですよ!」 優希「まさかのどちゃんがノンケになるとは、この優希さまの目を以てしても見抜けなかったじょ」 和「茶化さないでください!」 優希「いやでも、毎日二人で話し込んでて週末には一緒に出かけるって客観的に見てこれカップルじゃないか?」 和「うぅ……実態が伴ってないのが問題なんです」 優希「だったら実態を伴わせればいいんだじぇ」 和「さっきも言ったけどもう引っ込みがつかないんですよぅ!」 和「と、というわけで、す、須賀君…ここ今週末、一緒に出かけ…ませんか?」 京太郎「今日は勢いがないな、和」 和「こ、今回は…その、咲さん研究ではなく…日頃のお礼、ということで…」 京太郎「なんですとっ!?」 和(本当にこれでいいんでしょうねゆーき…! 駄目ならあなたを恨みますよ…) 京太郎(え、和が咲目当て以外で俺に話しかけてきただと…SOA! これは俺が見ている都合のいい夢に違いない!) 和「ま、毎日咲さん研究に付き合ってもらっていますし…」 京太郎「でっ、デートとかんがえてよろしいんでひゅかっ!?」 京太郎(噛んだ、しにたい) 和「そ、そそそういうことですっ」 和(どもった、しにたい) 京太郎(そんなわけでものっそいオシャレ頑張って出かけてみたはいいものの) 和(か、会話が続かない…!?) 京太郎(おかしい、普段は気付いたら一時間くらい話し込んでたりするのに) 和(うぅ、普段から咲さんをダシにしていたツケが回ってきたということでしょうか…) 京太郎「あー…そうだ、飯でも食いに行くか」 和「そっ、そうですね…」 京太郎「あー、もうすぐ新人戦か…うぅ、こないだの個人戦みたいにトビ終了は嫌だな…」 和「そ、それなら私が特訓してあげます。いつも相談に乗ってもらっているお礼、ってことで」 京太郎「ははっ、そのお礼が今日のデートじゃないのかよ。でもありがとな」 和「はぅ、い、いきなり頭を撫でないで…」 京太郎「あ、ごめんつい。癖だ、癖」 和(…いつも咲さんを撫でてたってことでしょうかね) 京太郎「んじゃ、せっかくだし映画でも見に行くかー」 和「そ、そうですね…とはいっても、どんなのがやってるか分からないんですけど」 京太郎「俺も。適当に面白そうなの選んでくれよ、和」 和「は、はい。じゃあ……」 イッショニタノシモウヨ!! ゼンブゴッタオス!! 和(百合ものだったしにたい) 京太郎(やはりレズピンクか…) 京太郎「お、面白かったなぁ。終盤の逆転劇は燃えた」 和「あ、あの、勘違いしないでください須賀君。別にあれを狙って選んだわけではなくてですね」 京太郎「今更勘違いも何もないだろ。別に軽蔑したりしないって」 和「いや、あのっ、そうじゃなくて…」 京太郎「よーし、じゃあ今日のお礼に中学の時のアルバムでも見せてやろうか? 何か思い出すかも――」 和「違うんですっ!!」 京太郎「…和?」 和「…違うんです。もう本当は、咲さんの研究が目的じゃなくなってたんです」 京太郎「何、を…」 和「最初は、ただ咲さんに近づく口実のためだった」 和「けど、聞くたび会うたび話すたび、あなたのことを知って…あなたに惹かれていく自分がいた」 京太郎「何を、言って…」 和「…好きになってしまったんです、あなたのことが」 京太郎「――え?」 和「今更虫のいいことを言っているとは思います。けど、それでも…」 和「原村和は、須賀京太郎君のことを――わぷっ」 京太郎「…今更冗談とか言っても、遅いからな」 和「なっ、何をっ」 京太郎「一度しか言わないぞよーく聞け! 俺はずっとずっとずーっと、和のことが好きだった!!」 和「」 京太郎「だから、おお俺と付き合って下さいっ!!」 京太郎(どもった…しにたい…) 和「…わたしもでひゅっ」 和(噛んだ…しにたい…) 咲「で、付き合うことになったと」 京太郎「我ながら急展開だったと思う」 咲「見てたこっちとしては牛歩もいいところだよ!」 京太郎「マジか」 咲「大マジだよ」 京太郎「マジか…ま、いっか。あ、和に呼ばれてるからもう行くわ」 咲「いってらっしゃい」 京太郎「おう。今日はこの卒業アルバムを見せないと…」 咲「昔話という名の黒歴史暴露は続けてるの!? やめてよ!!」 優希「はっはっは、私の策は見事的中だったようだなのどちゃん!」 和「ドヤ顔が腹立たしいですが反論できないのが悔しいです」 優希「京太郎がのどちゃんにベタ惚れなのは見てて丸分かりだったしなぁ」 和「分かりませんよ普通は!」 優希「いや、分からないのどちゃんが異常なんだじぇ。前々から鈍感だとは思ってたけどここまでとは」 和「ぐぅ」 優希「自分のことが好きな奴を別の奴との恋愛相談に付き合わせるなんて、のどちゃんは中々の鬼畜だじぇ」 和「ぐぬぬ…ええい、事が済んでしまえばこっちのものです。京太郎君と待ち合わせがあるので失礼します」 優希「いてらー」 和「きょ、今日も咲さんの情報と引き換えに一緒に学食に行きますよ…きょ、京太郎君!」 京太郎「はいはい分かりました分かりました! ただし日替わりのレディースランチは頼んでもらうからな!」 和「分かってます! 急ぎますよ京太郎君、昼時は席が取れないんですから」 京太郎「おうよ! そういえば弁当忘れるなんて珍しいな和」 和「きょ、京太郎君と一緒に食べたかったんでひゅっ!」 和(噛んだ! しにたい!) 京太郎「そっ、そそそりゃうう嬉しいな!」 京太郎(どもった! しにたい!) 咲「…仲いいなぁホントに」 優希「全く、手のかかるカップルだじぇ」